【土木鋼構造診断士】専門記述式過去問解答例「応力頻度測定」

1.概要

 構造物に変動応力が発生している場合、これがどのような大きさの応力成分から構成されているかを調べ、各成分の頻度を求めることにより、疲労き裂に対する損傷度を計算することができる。この損傷度の大きさにより、外力作用に関して、疲労に注意が必要な構造物であるか判断できる。

2.測定方法

 ひずみゲージ、ブリッジボックス、応力頻度計、応力頻度解析からなる応力頻度計測システムを用い、応力頻度測定を行う。供用後の構造物には、交通荷重のように時間的に変動する荷重が繰り返し作用し、発生する応力も変動応力となる。このような変動応力から応力振幅を求め、これをいくつかのレンジに分割し、各レンジのカウント数を計測するのが応力頻度解析である。解析方法としては、レインフロー法とレンジペア法が用いられる。測定の時期と期間については、構造物における標準的な応力状態を代表できる時期と期間とし、年末年始などでの測定は避ける必要がある。ひずみゲージの貼付位置は、疲労き裂の発生が懸念される部位とする。また、このような部位の局部応力を評価するには、全体的な応力の流れや、中立軸の位置、部材に作用する最大断面力の頻度などの情報が必要とされる場合が多い。

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