ここでは、技術士二次試験口頭試験の確認項目(コミュニケーション・リーダーシップ)について学びます。
確認項目Ⅰ技術士としての実務能力
1-1.コミュニケーション
まずはコミュニケーションから確認しましょう。技術士に求められるコミュニケーション能力とは、業務履行上、口頭や文章等の方法を通じて、雇用者、上司や同僚、クライアントやユーザー等多様な関係者との間で、明確かつ効果的な意思疎通を行うこと。と定められている。
わかりやすく解説していきます。
まず、コンサルの立場で発注者や地権者などに説明を行う場面を想定します。我々技術者が設計等を行う場合、なかなか教科書通りということにはならないと思います。「マニュアルに記載していないことをやる」場合もありますよね。ここで必要になってくるのが、技術的妥当性の説明能力です。特に、専門知識のない地権者に説明する場合には、写真や3Dデータ、図表などの視覚的にわかりやすい資料を用いた説明が効果的であるといえます。
次に必要になるのが、発注者や地域住民等の意見を確実に把握する能力です。特に地域住民などのエンドユーザーは、専門知識がない場合が多く、それぞれの思惑も当然違います。そのため、語弊や軋轢が生じてしまう恐れがあります。ここで必要になってくるのが、意見等を確実に把握する能力です。なにが一番効果的で確実かというと書面でのやりとりでしょう。書面を通して、確実に語弊のないコミュニケーションをとるということです。
普段業務においてどのようにコミュニケーションを図っていますか? | 発注者と協議する場合には、双方の誤解のないよう、相手の理解度を確認しながら協議を行い、協議内容は記録簿として書面を作成し、双方確認押印の上、保管提出するようにしています。 また、地域の方々に説明する際には、写真に計画のポンチ絵を重ねた図面や着色した図面など、視覚的にわかりやすい資料を用いて説明することを心がけています。 |
クライアントや地域住民の方に計画の説明を置こう上で、失敗した事例などはありますか? | 地域住民の方々に説明を行う際に、クライアントに説明した図面を用いて承諾していただいたが、擁壁の設置位置を勘違いされており、施工の際に再度説明が必要になったことがあります。 当初説明する際に、写真にポンチ絵を重ねた視覚的にわかりやすい資料などを用いて、説明すべきだったと反省しております。 |
1-2.リーダーシップ
次にリーダーシップについて確認しましょう。技術士に求められるリーダーシップとは、業務履行にあたり、明確なデザインと現場感覚を持ち、多様な関係者の利害等を調整し取りまとめることに努めること。と定められています。
わかりやすく解説します。
リーダーシップとは、理解を得ることで業務を進める能力であると考えています。前述したコミュニケーションを発揮して、クライアントやエンドユーザーの同意を得て業務を進行させる能力と言えるでしょう。そのためには、技術の妥当性や計画のメリット・デメリットを確実に伝えることも重要です。また、コンピテンシーに示されている明確なデザインと現場感覚とは、現場を見て計画の完成形や利害関係者(河川管理者や公園管理者など)確実に把握できる能力であると考えています。これは経験による部分が大きいと思いますので、若手の方の場合は、先輩技術者の過去の成果に勉強しているという姿勢を示すことが重要だと思います。
リーダシップをどのように発揮して業務を行っていますか? | リーダシップを発揮するためには、現場感覚が重要と考えています。そのため、業務当初に現地調査を行い、業務の方向性や利害関係者を適切に把握した上で、その利害を調整し取りまとめることに努めています。 |
具体的に説明してもらえますか。 | 例えば、道路を計画する際に河川が並走している場合、河川管理者と協議が必要になる可能性があります。計画が河川に影響するかを過去の経験や、先輩技術者の過去の成果をもとに判断し、河川協議が必要な場合は業務の早い段階で協議が実施できるように調整する必要があります。 |