【土木鋼構造診断士】専門記述式過去問解答例「電位測定」

1.概要

 電気防食は、被防食体を特定の電位以下に保持することで防食する方法であり、このときの電位を防食電位という。したがって、電気防食の性能が維持されているかの確認は、この電位の測定によって行われる。また、流電陽極方式により電気防食が行われている場合は、流電陽極材の消耗量の調査が、その後の耐久性を推定するうえで重要な資料となる。

2.電位測定

 電位の測定は、照合電極を所定の位置に吊り下ろし、高抵抗電圧計の+端子を照合電極に、-端子を測定対象構造物に接続する。測定した電位の最貴値、最卑値および平均値から、良好な防食状態が維持されているか否かを判断する。

3.陽極消耗量調査

 調査する流電陽極材料は、設置部位や水深等の設置条件の違いによる消耗状況を把握できるよう選定する。調査方法は、潜水士により海水中に設置されている流電陽極材料の付着物を除去した後、形状寸法を測定する。初期質量と残存質量から消耗量を算出し、経過年数からその後の耐用年数を推定する。海中または干満帯で作業を行う場合、波浪や潮流、航跡波の影響を強く受け危険を伴うため、十分な安全対策を講じる必要がある。

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