【土木鋼構造診断士】専門記述式過去問解答例「塗膜劣化度測定」

1.概要

 塗膜の劣化度を定量的に表す目的で、現在一般的に用いられる機器類を用いた測定法には、引張試験、インピーダンス測定、色差測定、光沢度測定がある。

 引張試験は、粘着テープとカッターナイフで簡単に付着性能を評価できる碁盤目・クロスカットテープ付着試験と、接着剤を用いるアドヒージョンテストがある。

 インピーダンス測定は、ポータブル型インピーダンスブリッジを用いて、角周波数に対する抵抗値と電気容量値の変化から塗膜劣化度を評価する。

 色差測定は、色差計を用いて色の変化を定量的に測定する方法である。

 光沢度測定は、紫外線等の影響による塗膜の光沢度の経時的な変化を、携帯用光沢計を用いて測定する方法である。

2.留意事項

 測定にあたっては、調査物件の状態を代表するような箇所と数量および時期を選んで選定する必要がある。現地調査は、高所、足場が悪い等の箇所が多いため、事前調査に基づき、安全確保に十分な準備と検討が必要である。また、測定により塗膜を破壊した場合には、適切な補修を行い、これが原因で塗膜劣化が進行することのないよう注意する必要がある。

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