【過去問解答例】R2道路選択Ⅱ-1-2(歩行者利便増進道路)

問題 Ⅱ-1-2

 令和2年5月の道路法改正により創設された歩行者利便増進道路の概要を述べよ。また、それにより期待される効果を説明せよ。

解答例

1.歩行者利便増進道路の概要

 道路空間の活用による街の活性化を推進するため、歩道にベンチやカフェ等を設置するなど、道路への新たなニーズが高まっている。このような民間と連携した賑わいのある道路空間の構築を促すため、道路法改正に伴い、歩行者利便増進道路制度が制定された。具体的な取り組みとしては、以下の2点が挙げられる。

(1)歩行者の利便増進に資する構造基準の制定

 道路管理者が、車線を減らして歩道を広げるなどして、歩道等の中に「歩行者の利便増進を図る空間」の指定が可能となった。

(2)道路空間活用を促す仕組みの導入

 指定道路内に利便増進誘導区域を定めることで、道路占用許可が柔軟に認められるものとした。また、占用者を公募により選定した場合、通常の5年から最長20年の占用が可能となった。

2.歩行者利便増進道路により期待される効果

 車線運用の変更等により、歩道等の中に賑わいのある空間の構築が期待される。また、空間活用に関する関係者との調整の円滑化や、占用基準の緩和により、民間の創意工夫を活用した空間づくりが期待される。さらに、最長20年の占用期間の適用により、テラス付き飲食店等、初期投資の高い施設の参入が容易となることが期待される。

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