問題 Ⅱ-1-1
道路計画における一般的な交通需要推計手法の概略手順を説明せよ。また、当該手法の持つ課題と留意点について述べよ。
解答例
1.交通需要推計手法の概略手順
交通需要推計は実績データに基づく各予測モデルを用い、以下に示す手順で実施する。
①ゾーニング:対象地域を行政界等に沿って複数のエリアに区分する。
②生成交通量の予測:対象地域の生成交通量(総トリップ数)を予測する。※OD表右下に該当
③発生・集中交通量の予測:各ゾーンの発生交通量及び集中交通量を予測する。※OD表右端、下端に該当
④分布交通量の予測:各ゾーン間のトリップ数を予測。※OD表の中の各欄に該当
⑤分担交通量の予測:分布交通量を交通手段ごとに分類する。
⑥配分交通量の予測:交通手段別OD表を交通ネットワーク上の各経路に流し、区間別の交通量を予測する。
2.課題及び留意点
①使用データの限界:サンプル調査は必ず誤差を持つため、使用データの精度が予測値にどう影響するか事前に分析する必要がある。
②外生変数の限界:将来人口等の様々な不確定要素が存在するため、複数のケースを設定し幅を持った将来予測値を推計する必要がある。
③予測モデルの限界:予測モデルは必ず誤差を持つため、モデルの精度検定やモデルシステム全体の現況再現性、妥当性の確認を行なう必要がある。 ―以上―