【想定問題及び解答例】道路選択Ⅱ-1-1(緩和区間)

想定問題 Ⅱ-1-1

 道路の計画・設計において用いられる緩和区間について、その概念と設定にあたっての留意点について述べよ。

解答例

1.概念

 緩和区間とは、直線と円曲線の間、または大円と小円の曲率の漸変、あるいはすりつけのために必要な区間。その必要長は、自動車が緩和走行する際の遠心加速度を一定値以下として、走行時の不快感を除くこと、ハンドル操作時間との関係を考慮に入れることの2点を基に規定される。一般に、自動車の緩和走行軌跡に近いクロソイドが使用される。クロソイドとは、曲率が曲線長に比例して一様に増大する曲線である。

2.設定にあたっての留意点

①余裕があれば、視覚的に線形が滑らかになるように緩和曲線を十分大きくとる。ドイツにおける経験則から、クロソイドパラメータの値をR/3≦A≦Rとするのが良い。

②横断勾配のすりつけを考慮し、曲率のすりつけから求められる最小長と、横断勾配のすりつけから求められる最小長のうち大きい方を選択するのが良い。

③緩和曲線を省略する場合は、限界曲線半径以上である必要がある。特に用地や地形等の制限が厳しい場合を除き、標準限界曲線半径以上とするのが良い。

④背向曲線では、2つのクロソイドの大きさは等しくするのが良い。等しくできない場合には、両クロソイドパラメータの比を1.5~2.0以下とすることが望ましい。

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