【想定問題及び解答例】道路選択Ⅱ-1-4(固結工法)

想定問題 Ⅱ-1-4

 軟弱地盤対策工には圧密・排水工法、締固め工法、固結工法などがあるが、このうち固結工法に分類される具体的な工法を2つ挙げ、それぞれの原理及び特徴を説明せよ。

解答例

1.石灰パイル工法

 生石灰を粘土質地盤中にパイル状に打設し、生石灰の消化吸水と続いて起こる水和物生成及び毛細管吸水作用により、粘性土中の含水量低下を図り、地盤の強度増加および、沈下量の低減を期待するものである。

 上載荷重を必要とせず、短期間にその効果を発揮する長所を有する。帯水砂層に貫入する場合や、地表面に触れている場合は、その効果を著しく減ずる点に留意する。また、吸水作用により高熱を発するので、その取扱い、貯蔵について衛生および保安上の注意が必要である。

2.薬液注入工法

 砂質地盤中に薬液、セメントミルクなどの注入材を圧入し、固結土を造成することで、地盤の浸透性を低下させるとともに、地盤の強度増加を期待するものである。

 多様な種類の注入方法・材料があり、あらゆる地盤や目的に応じた最良なものを選ぶことができる。また、地盤は程よい固さで固結するため、後工事への支障がすくない。さらに、コンパクトで軽量な機械と設備で施工可能であり、狭隘箇所や高さに制限がある箇所でも自由度の高い作業が可能である。短所としては、設計範囲への薬液の浸透が十分でない場合、未固結部分が残り、掘削時に出水事故などが発生することなどがある。

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