令和2年度技術士第二次試験(建設部門)選択科目Ⅱ-2-2を例にとって解説したいと思います。
令和2年度 選択科目Ⅱ-2-2 設問
道路の地下空間には、様々な占用物件が埋設されているが、近年、占用物件の老朽化に起因する路面陥没や上水道の断水といった事象が発生し、問題となっている。これらの事象を踏まえ、市街地での舗装修繕工事の計画を立案する担当責任者として、下記の内容について記述せよ。
(1)調査・検討すべき事項とその内容について説明せよ。
【調査・検討すべき事項】の書き方
まずは、悪い例から紹介します。
【解答例(悪い例)】
(1)調査・検討すべき事項
①道路構造
既存資料、現地調査により、現道の幅員構成、付帯構造物等について調査する。
②交通量
道路センサスや交通量調査により、交通量(普通車・大型車・自転車・歩行者等)について調査する。
③損傷状況
既存資料、現地調査により、既設舗装、占用物件の損傷状況を調査する。
④修繕範囲・工法
損傷部の修繕範囲・工法を検討する。
⑤施工中の交通規制
施工中の交通規制について検討する。
【解説】
調査・検討すべき事項については、ある程度記載できています。しかし、なぜ調査するのか、なぜ検討するのか、という理由が記載できていません。これでは、論理的な説明になっていません。論文試験では基本的に「○○だから□□だ」という書き方を習慣づけしましょう。これは、どの科目でも同様です。また、論文試験に倒置法「□□する。その理由は○○だ」は不向だと考えます。とても読みずらいです。
では、私の考える解答例を紹介します。(2)(3)を含めた解答例はこちら
【解答例】
(1)調査・検討すべき事項
①道路構造
舗装修繕計画の基礎情報となる、車道や路肩、歩道などの幅員構成及び、舗装端部の側溝や縁石等の付帯構造物の状況を調査する。
②交通特性
舗装構成や施工中の交通規制を検討するため、対象道路の交通量(大型車、普通車、歩行者等)を調査する。
③舗装、占用物件の損傷状況
修繕範囲及び修繕工法を検討するため、舗装及び占用物件の損傷状況を調査する。
【解説】
どうですか?上記と同じ調査項目・検討項目を書いていますが、とても読みやすくないですか?調査事項と検討事項はほとんどの場合セットになりますよね。ですから私は「○○を検討するため□□を調査する」という書き方にしています。こうすることで、文字数も節約でき、その分(2)(3)の回答を充実させることができます。
まとめ
今回の記事はあくまで私の考えです。これが正解かどうかはわかりません。「このような考え方もあるのだな」と少しでも誰かのためになればと思います。
また、この記事はあくまで論文を書く際のテクニックを紹介しています。