【過去問解答例】R2道路選択Ⅱ-1-1(設計時間交通量)

問題 Ⅱ-1-1

 道路計画・設計において用いられる設計時間交通量について、その概念と設定にあたっての考え方を述べよ。

解答例

1.設計時間交通量の概念

 計画交通量は、対象路線の計画目標年次において予想される日交通量であり、通常は年平均日交通量が用いられる。しかしながら、交通量は路線や地域によって特有の時間的な変動特性を持つため、道路設計においてはピーク特性の考慮が必要である。そのため、道路設計の際には、計画交通量からその路線の交通量の変動特性を考慮して求めた設計時間交通量を用いることとしている。

2.設計時間交通量設定にあたっての考え方

 設計時間交通量の設定にあたり、年間を通じて常に変動している時間交通量のどれを対象として設計すべきかが重要な問題である。まず、1番目時間交通量を設計の対象とすることが考えられるが、この場合ほとんどの時間において交通容量が過剰となり、非経済的な設計となる。そのため、許容すべき混雑時間を最小限にとどめ、かつ経済的な設計を行うために、設計時間交通量は、計画目標年における30番目時間交通量とすることを標準としている。しかし、季節的変動の著しい観光的色彩の強い路線等では、30番目時間交通量がかなり大きな値となることがある。このような場合には、経済的な設計を行うために、状況に応じて80~100番目時間交通量を設計時間交通量とする考え方もある。

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