DX(デジタルトランスフォーメーション)についてその概要をまとめますので、主に必須科目Ⅰ、選択科目Ⅲの対策としてご一読ください。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは
DXとは、「行動」「知識」「モノ」これらのいずれかをデジタル化して変革を実現しているもの。
流通データの増大・処理性能の向上・AIの深化により、これまで不可能と考えられてきた、高度な判断や複雑な処理が実現しようとしている。
○データ量の増加:世界のデータ量は2年ごとに倍増
○処理性能の向上:ハードウェアの性能は、指数関数的に進化
○AIの非連続的進化:ディープラーニング等によりAI技術が非連続的に発展
これらの発展、進化により、これまで不可能と思われていた社会の実現が可能に。
◇実社会のあらゆる事業・情報が、データ化・ネットワークを通じて自由にやりとり可能に(IoT)
◇集まった大量のデータを分析し、新たな価値を生む形で利用可能に(ビッグデータ)
◇機会が自ら学習し、人間を超える高度な判断が可能に(人工知能(AI))
◇多様かつ複雑な作業についても自動化が可能に(ロボット化)
DX海外先進事例
中国
○杭州市とアリババクラウドが協力しスマートシティ計画(ET City Brain)を推進
○道路上に2000~3000台のサーバー、4000台超のカメラを配備し、交通管理センターによるリアルタイムモニタリングを実施。警察への自動通報や交通状況に応じた信号機の自動切換えなどを実施。
インド
○2009年に国民IDシステム(アドハー)を開発し、すでに12.3億人が登録
○アドハーを基礎に、電子署名、電子送金などの応用アプリケーションが政府主導のもと開発され、キャッシュレス社会の基盤技術となっている。
○アドハーでの個人認証には、指紋、顔、虹彩認証などの高度な技術が利用されている。
シンガポール
○フランスのソフトウェア企業ダッソー・システムズと提携し、国土を丸ごと3D化した「バーチャル・シンガポール」プラットフォームの構築を推進
○環境や防災などのシミュレーション、インフラ・エネルギー管理、まちづくりなどの幅広い分野で活用を狙う。
日本のデジタル化の現状は、、、
○メールや表の作成、プログラムなどを職場でどれだけ使うかを指数化した職場のデジタル化ランキングをみると、日本は主要先進国を下回っている。
○IT訓練が必要な教員の割合も約80%であり、OECD平均を大きく下回っている。
○これらから、デジタル化について日本は世界より大きく遅れている状況といえる。
なぜ日本のデジタル化は進まないのか
○主な課題は技術的なものではない。経営者のコミットメントや理解度、企業の文化やデジタル人材の不足といった人・組織にまつわる要因が大きい。
○日本におけるデジタル関連投資の推移は、過去約四半世紀にわたり投資が増えていない。
○多くの日本企業にはデジタル変革を進めるうえで、大きく3つのハンディキャップを抱えている。
・社内のデジタル人材不足
・社長の高齢かつ短い在任期間
・外部人材が活躍しにくい組織文化
日本のDXをどう進めるか
○トップ経営層が一枚岩となり、自社のDXビジョンを作ることが第一歩であり、ビジョンは自社の強みを活かして競合と差別化できるビジネスモデルの構築に向け、変革を実施していく必要がある。
○戦略においては、なぜ実施するのか(Why)、何をどの順番でやるのか(What)、いかにしてその年度のリソースを集中させるのか(How)を決めることが重要。
日本の道路のDX(xROAD)
xROADとは
持続可能な国土幹線道路システムの構築に向けた取り組み
①平常時・非常時を問わず機能を失わない安全・安心な道路(Safe)
②道路ユーザー等の生産性・快適性が飛躍的に向上するスマートな道路(Smart)
③社会環境の変化やインフラの老朽化に対応できる持続可能な道路(Sustainable)
xROADが目指す道路の未来
○道路利用の障害となる様々な事象を早期発見・早期処理
○施工や維持管理作業などの徹底した自動化・無人化
○手続きや支払いのオンライン化・キャッシュレス化・タッチレス化
○道路のビッグデータを収集・蓄積、フル活用し、社会に還元
※xROADの実現に不可欠なETC2.0の概要
導入による効果:戦略的な料金体系の導入、混雑緩和による生産性向上、料金収受員不要など
導入の課題:クレジットカード非保有者、高速道路利用頻度が少ない者など
解決策:ETCパーソナルカードの保証金の大幅な引き下げ、車載機導入助成など
DXについて、現状、課題を整理し、自分なりの解決策、解決策のリスク及びその実効策を考えましょう。※自分なりの解決策といっても、あまりに実行不可能なものや、国の施策からかけ離れたものはダメです。