技術士第二次試験選択科目(建設部門:道路)で取り上げられそうな、高速道路の4車線化についてその概要をまとめてみたいと思います。
4車線化が求められる背景
近年、激甚化・頻発化する自然災害に対し、速やかな復旧・復興を実現するためには、道路ネットワークの強化が重要である。発災後概ね1日以内に緊急車両の通行を確保し、概ね1週間以内に一般車両の通行を確保することを目標として、災害に強い国土幹線道路ネットワークの機能を確保するため、高規格道路のミッシングリンクの解消及び暫定2車線区間の4車線化、高規格道路と代替機能を発揮する直轄国道とのダブルネットワークの強化等を推進する必要がある。
4車線化により期待される効果
重大事故の減少
暫定2車線の高速道路では、簡易中央分離帯(ラバーポール等)により施工されている区間が多く、反対車線への飛び出し等により、重大事故が多く発生している。4車線化により、中央分離帯に防護柵が設置されることで、このような重大事故を防ぐことが可能である。
渋滞の緩和
道路勾配が変化する箇所(特にサグ部)や、車線が減少する箇所において発生する渋滞が、4車線化により緩和することが可能である。
円滑な交通の確保
暫定2車線の高速道路では通行止めをして作業せざるをえなかった、交通事故の復旧作業や道路の維持補修工事などにおいて、4車線化により車線規制のみで実施できるようになるため、通行止めの回数を減少することが可能である。
災害時における早期の交通機能確保
4車線化により、通行帯を確保しながらの復旧作業が行えるようになるため、早期に道路が復旧でき、緊急車両の通行や物資の輸送を速やかに行うことが可能である。
4車線化の課題
コスト問題
4車線化を実施するには膨大な費用が必要であり、特にトンネル部や橋梁部では、新たなトンネル、橋梁が必要であるため、より多くの費用が必要となる。
付加車線の法定速度
1部の区間で4車線化を実施し付加車線を設置したとしても、法定速度が暫定2車線部と同様では、法定速度を侵さない追越が難しい。
利用料金の値上げ
4車線化に伴う費用の回収のため、利用料金の値上げが可能性として考えられる。
まとめ
4車線化について簡単に、背景、効果、課題をまとめてみました。少しでも誰かの役に立てると幸いです。