技術士二次試験口頭試験の確認項目を解説(技術者倫理)

 ここでは、技術士二次試験口頭試験の確認項目(技術者倫理)について学びます。

確認項目Ⅱ技術士としての適格性

3.技術者倫理

 まずは技術者倫理から確認しましょう。技術士に求められる技術者倫理とは、業務遂行にあたり、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮した上で、社会、文化及び環境に対する影響を予見し、地球環境の保全等、次世代に渡る社会の持続性の確保に努め、技術士としての使命、社会的地位及び職責を自覚し、倫理的に行動すること。業務履行上、関係法令等の制度が求めている事項を遵守すること。業務履行上行う決定に際して、自らの業務及び責任の範囲を明確にし、これらの責任を負うこと。と定められています。

 わかりやすく説明します。

 まずは、技術士倫理綱領を体系的に理解しましょう。前文の内容及び、綱領に定められる10項目のうち最低3つはスラスラ言えるように暗記しましょう。※参考:技術士倫理綱領

 併せて、技術士法について勉強しておきましょう。技術士法で重要なことは3義務2責務です。「信用失墜行為の禁止」「秘密保持の義務」「名将表示の場合の義務」「公益確保の責務」「資質向上の責務」です。これはすべてスラスラ言えるように暗記し、内容も体系的に理解しておくことが重要です。※参考:技術士法

 ここで重要なことは、技術士倫理で最優先にすることは公益確保であるということです。他の義務責務(例えば守秘義務)などとトレードオフとなった場合は、公益確保を優先するということです。ただし、他の義務責務もできるだけ満足するように努めているという姿勢を示すことも大事になってきます。

 また、罰則についても知っておく必要があります。技術士法に定められる罰則には、行政罰刑事罰があります。3義務2責務のどれかに違反した場合は登録取り消しなどの行政罰、守秘義務に違反した場合は懲役・罰金の刑事罰が科せられます。なぜかというと守秘義務のみ被害者が存在し得るからです。

 業務遂行にあたり、倫理についてはどのようなことを重視していますか? 技術者の最優先事項は公益確保です。公益確保には環境保全も含まれますので、保安林や自然公園などの法指定を確認し、環境保全にも相応の配慮を心がけております。
 もしクライアントから、公益確保に反することを要求された場合はどうしますか? 原則は公益確保です。会社の上司などに相談の上、説得を試みます。それでも応じてもらえない場合は、内部告発を行います。
 最近技術者倫理に反する事例をよく耳にしますが、その原因は何だと思いますか? 一番の原因は技術者の倫理観の欠如だと思います。また、年々厳しくなる働き手不足やコスト削減なども一因と考えております。
 倫理違反を防止するためにはどうすればいいですか? 倫理違反の防止には、他律による厳罰化、自律向上のための教育、不正を明らかにするシステム作りが重要です。
想定問答例

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