【過去問解答例】R2道路選択Ⅱ-1-4(落石対策工)

問題 Ⅱ-1-4

 落石対策の1つに、施設による対策である落石対策工がある。この落石対策工は大きく2種類に分類されるが、それらの名称を記し、それぞれについて説明せよ。また、落石対策工を具体的に選定する際の調査・検討手順を説明せよ。

解答例

1.落石対策工の分類

(1)落石予防工

 落石予防工とは、転石や浮石を原位置で対処することで、落石の発生自体を防止する工法である。代表的な工法として、除去工、根固工、ワイヤーロープ掛工等がある。原位置においての対策であるため、資機材の進入路等を適切に計画する必要がある。

(2)落石防護工

 落石防護工とは、落石が発生した場合に、斜面下部や斜面途中で落石を捕捉し、落石エネルギーを吸収・消散させる工法である。代表的な工法として、落石防護柵工、落石防護網工、ロックシェッド工等がある。落石を待受ける工法であるため、落石到達範囲をシミュレーションソフト等により、明確に把握することが重要である。

2.落石対策工を選定する調査・検討手順

 既存資料、現地調査に基づき、斜面の地質構造・勾配・形状及び、落石の大きさ・位置等を把握する。

 落石エネルギーの算定を行い、落石予防工、落石防護工についてそれぞれ対応可能な工法を選定する。

 経済性、施工性及び維持管理等についての比較検討に基づき、対策工法を決定する。一部落石エネルギーの大きな石が点在する場合は、落石予防工、落石防護工の併用が効果的である。

おすすめの記事